下水道におけるICT活用

下水道におけるICT活用

我が国の下水道事業は厳しい財政状況の下、維持管理の重要度の増大、下水道資源・エネルギーの利用促進、浸水や地震・津波への備え、少子化の進展やベテラン職員の大量退職による人材不足・技術継承への対応といった多岐にわたる課題に直面しています。財政事情や人材不足がさらに逼迫していく状況の中においても、市民サービスの向上や災害対応力、マネジメント力の強化を行うことで、質が高く、持続可能な下水道事業を維持し、さらに向上させて行くことが求められています。

こうした社会的な要請に対して、下水道事業は、例えば下水道台帳システム、施設の遠方監視・制御、降雨情報の提供等で従来から活用されてきたICT(情報通信技術)を、今後の技術発展も踏まえ、さらに多くの分野で幅広く活用していくことが求められています。

近年のICTの急速な発展とその普及拡大は著しく、情報インフラの発達、情報端末の高機能・多様化、クラウドなどの技術の進歩とともにハード面のコストも低減傾向にあります。ICTは、万能ツールとしてあらゆる領域に活用され、イノベーションを誘発する力を有しており、センサーネットワークによるリアルタイムモニタリング技術の確立、検索技術の効率化、ビッグデータの活用による新たなサービスの創出などが期待されています。

政府においても、平成25年6月に閣議決定された「日本再興戦略」において、ビッグデータの利活用の推進やセンサーやロボット等を活用したインフラ点検・診断システムの構築など、世界最高水準のICT社会を実現し、安全・便利で経済的な次世代インフラを構築することとされました。

「下水道におけるICT活用に関する検討会」は、このような下水道事業が置かれた状況とICTの発展及び政府全体のICT活用方針等を踏まえ、国土交通省水管理・国土保全局により平成24年12月に設置され、「めざましい発展を遂げるICTを、下水道の持続的かつ良質な事業展開にどのように活用していくことができるのか。」という観点で検討を行ったものです。

本報告書では、ICTの多様な活用により、効率的で効果的、かつ安全な下水道事業を実現している夢のある将来像を描くとともに、その将来像の実現に向け関係者が具体的なアクションを起こしていくための仕組みや役割を示しました。また、多くの民間企業から提供頂いたICTに関する最新情報も満載し、下水道事業で活用可能なICTに関する体系化された情報源としても活用して頂きたいと考えています。

ICTの活用は、下水道事業が直面する多くの課題に対するソリューションを的確に与え、社会の効率性や利便性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。本報告書が、事業主体である地方公共団体、現場で管理を行う企業、ICT関連企業など、多くの関係者にとって、下水道事業におけるICT活用の価値やその可能性の大きさを認識するきっかけとなり、今後のICT活用の推進力となることに期待しています。

詳細はこちらをご覧ください。
出典:持続的かつ質の高い下水道事業の展開に向けたICT活用ビジョン(国土交通省)
出典:下水道におけるICT活用に関する検討会(国土交通省)


ライセンス情報
本記事は国土交通省から発表された下水道におけるICT活用に関する検討会(国土交通省)の資料をもとにサクシードが執筆しました。記事の公表に関しましては「国土交通省 ホームページ リンク・著作権・免責事項」に従っております。

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